2010.04.06 23:17
一応言っておく。閲覧注意!(痛々しい的な意味で)
本当に登録することになったら、表ではこんな感じではないので、その、大丈夫です。
いや、裏には登録しないつもりだけど。裏側の設定みたいな感じで。
実際に表に登録するときは明るい頭の弱そうな子と、無口な女の子ですよ。ええ。本当です。
死霊術士というのは、ギリギリアウトだろうか。
(SSに書いてあるとおりでちゃんとした蘇生とかできないんだけど)(ゾンビとかも作れないんだけど)
目覚めなければよかった!
―――痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!
引きちぎれるような痛みが頭に、目に、鼻に、口に、喉に、腕に、脚に、胸に、腹に、
――全てに慈悲なく容赦なく間断なく降り注ぐ。
一瞬でも気を緩めたならば心が壊れてしまいそうな、激しい痛み。
けれどもその痛みゆえに気を緩めることなど到底出来るわけもない。
痛みに耐えようと力を込めて堪えれば堪えるほど、ぎちりとかみ合わない身体が軋んで灼ける。
針の太さだけ空いた穴。
かりそめの皮膚を繋ぐ糸と糸。
不細工な継ぎ目。
木で出来た身体。
水と土で出来た内臓。
肉で出来た皮。
玩具みたいなそれが、今の私の体だった。
なぜ?
どうして?
がちがちと音を立てて鳴る、歯を模したもの。ぎちりと音を立てて回る、球で出来た関節。
つくりものの視界の端に揺れる銀糸だけが、自分のものだった。
人間だった頃の。生きていた頃の。
三日。
三日耐えれば、人の姿になれるとあの男は言った。
三日耐えれば、生きていた頃のような姿で蘇られるのだと、あの男は言った。
人の命で遊ぶ、子供。
あれの言うことを信じたのが間違いだった!
「嘘じゃないよ」
がちがちと鳴る木切れの合間から、人の声。憎い憎い、あの男の声。
高みから楽しそうに笑って喋りかけてくる、声。
「友達が欲しかったんだ。嘘をつくわけないじゃないか。
その身体の部品だって、一生懸命集めたんだよ。
君の髪に似た質の良い硝子の糸を探すのは大変だったし、その大きさのアクアマリンだって、集めるのは大変だったんだよ?
君の本当の姿をそのままにしておきたくて、頑張ったんだ。
銀糸の髪も綺麗だし、青い瞳も素敵だったから。目と同じ色のリボンがよく似合ってた。
そんなきらきらした友達が欲しかったんだ。君も契約には乗り気だったし。
大丈夫、三日を過ぎれば他の人間には人の身体のように見えるようになるさ。
霊感の強い人にはばれちゃうかもしれないけれどね?」
子供が自慢話をするように、楽しげに紡がれる言葉、言葉、言葉。
黙らせたくても、声が出ない。声帯など無い。口代わりの穴が、ひゅうひゅうと空気を流すだけで。
――それとて、自分の息ではない。風が吹き込んだだけのことだ。
それでもどう感じ取ったのか、黙れ黙れと念じていれば、くすくすと笑う声。
「ねえ、君、勘違いしていないかい?」
耳の形をした穴が、声を拾う。
「元通りなんて――ないんだよ。死んだらそれっきりなのさ。
死霊術士なんて聞いて、夢でも見たのかい?
僕に出来るのは、戯れに死霊を物に宿すだけのこと。
生き返るなんて、時代錯誤もはなはだしいよ。そんな夢想、まだ信じてる子がいたなんてね。
でも君は、それを信じて僕に願った。契約した。僕はそれを叶えてあげた。
だから君は僕の友達だ。玩具の積み木で出来た、僕の友達だよ。」
がちがち、と音が鳴る。音が鳴って、耳に届く。
ふざけるなと荒げたい声は出ない。笑い声を止めることも出来ない。
あと一日。あと一日。痛みだけの時間は長くて長くて、本当は進んでいないのじゃないかと錯覚する。
死んだときのほうが、まだ痛くなかった。苦しくなかった。
こんなはずじゃ――……
「ああ、ねえ、僕、君の名前を知らないよ。本当はなんていう名前だったんだい?
ジュリエット?それともオフィーリア、さてはルクレティアかな。はは、そんなわけ無いか。
名前、名前ね、どうしようかな。やっぱりつけないと不便だよね?
ああ、そう、僕ホームズっていうんだよ。友達だから、君の名前はワトソンにしようか?
なんて、女の子につける名前じゃないかな――…」

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